広島市現代美術館

 

やたらにでかい作品が多い現代美術品展示のため、建物も巨大です。

公式HP

美術館規模 

専用駐車場 有(公園の無料駐車場があります)

アクセス方法

 JR広島駅から路面電車(広電)と徒歩

お勧めアクセス法

 徒歩で行く場合、かなり急な斜面を登ることになります。車で行く方が楽ではある。

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展覧会レポート

 

「造形集団 海洋堂の軌跡」 2006.10/1〜11/26

 海洋堂とは、あのチョコエッグなどの食玩において、その精密な造形でマニア心をくすぐり、一世を風靡したことで知られている模型メーカーである。元々は船舶模型などを手がけていたが、ガンダムをファーストインパクトとしてくすぶっていたフィギュアのブームが、エヴァンゲリオンの登場によるセカンドインパクトで開花するという社会状況の中で、精密でマニアックなガレージキットでマニアの人気を集め、一躍大飛躍した。その後の食玩への進出によって一般にも存在を知られるところとなり、現在は日本を代表するおたく文化の発信地の一つともなっている。

 展覧会の冒頭はいわゆる食玩シリーズの大量展示である。精密かつ精巧なモデルの完成度の高さと、その内容の多様さが目を惹くところである。ただやはり本領発揮はこの後のいわゆるフィギュア類の展示コーナーであろうか。このあたりになると、私も「ギョエー」とか「スゲー」とか「ヒョエー」とかほとんど言葉にならない言葉ばかりが口から出てくる。とにかく圧倒されるのはその作りのリアリティ。二次元を三次元に起こすということは明らかに物理的に無理があるので、概して立体作品は不自然になりがちなのだが、そこのところを計算に入れた上での非常に精密な作り込みには圧倒される。

 そして何よりも驚くのはそのラインナップのマニアック度。これについては、オタク文化にはかなり通じていると自認している私でも「このキャラは一体何?」という作品が2割程度はあったと言えば理解していただけるだろうか。

 と言うわけで、非常に客を選ぶ展覧会である。しかし造形に興味のある人間なら、一度見てみても損はないのではなかろうか。なお本展はコミケではないので、そこのところの心配は無用である。

 

「新収蔵作品展+コレクションで「笑う」」 2006.6/3〜9/3

 展覧会のタイトルから見て、パロディ作品などのようなものが中心なのかと思っていたのだが、実際に笑えたのは入口のところに飾られていた横尾忠則のユトリロのように見せて実はこの美術館のある比治山を描いている作品ぐらいだった。後は比較的平凡な現代アート作品ばかりで、特に印象に残るものはなかった。

 

「見るための冒険」 2004.10/23〜2005.1/23まで

 本展は広島市現代美術館が小学生などを対象にしてま、現代芸術作品の見方の解説を行ってきた「ミュージアムアドベンチャー」に基づく展覧会であるとのこと。収蔵品に対して、どういう店に着目してみてみると面白いかといったようなことを解説してあり、現代美術の初心者にとっては非常に親切な展示であるといって良いだろう。この展示を一回り見て回ると、難しいと言われている現代芸術の見方がマスターできるという仕掛けである。

 登場する作品はいかにも典型的な現代芸術のオンパレードで、抽象絵画あり怪しげなオブジェあり、果ては狭い部屋の中に時計を並べた怪しげな展示あり(この中にはいると、圧迫感と時計の音で気が狂いそうになる)といった現代芸術のフルコースになっている。大人が深刻な表情で「芸術とは云々」と言うよりも、子供がパビリオン感覚で周るのに適しているようである。

 なお個人的見解を述べておくと、現代芸術は何も難しいのではなく、単にくだらないだけである。残念ながら目下のところ、私のこの見解を覆す作品には未だに出会っていない。とにかく変わったことをやればそれでよいという一発ネタ芸人のような作品が多く、芸術的感動の効果をあげている作品は皆無であるのが現在の状況だ。

 

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