展覧会遠征 大阪・三田編

 

 今週末は突然に金曜日に大阪出張をすることになったことから、それに合わせて予定を全面変更した。とりあえず今の課題は旧サントリーミュージアムで開催中の「ツタンカーメン展」とスルッと関西2DAY切符を使い切ること。その2つを組み合わせた計画である。

 

 金曜日の仕事を無事に終えると大阪で一泊。今回は出張スタイルで来ているため、いつもの定宿ではなくて阿波座のホテルルートイン大阪本町。ホテルにチェックインするとまずは大浴場に直行して疲れを癒す。普通の風呂であるが、手足を伸ばして入れる風呂はやっぱり良い。

 

 風呂で疲れを癒した後は、チェックイン前に買い込んだ菓子などを頂きながらテレビを見てボンヤリ。やっぱりろくな番組がないので10時過ぎには床についてしまう。

  

☆☆☆☆☆

 

 

 翌朝は6時半に自動的に目が覚めると朝食。今日の本格的活動のために和食をしっかりと腹にたたき込むとシャワーで身体を温めてから9時前にチェックアウトする。

 

 阿波座から大阪港までは地下鉄で4駅。だからこのホテルを昨日の宿泊先に選んだわけでもある。大阪港に到着すると、駅前からツタンカーメン展のポスターが貼ってあり、辺り一面エジプト一色である。しかも回りを見ているとみんな目的はそれの模様。これは私が考えていた以上に混雑しているかも。

 

 現地に到着すると入口に直行する。ここで後れを取らないためにチケットは昨日サンクスで事前購入してある。入口には既に数百人レベルの行列があるが、既に館内にも行列が続いている模様。とりあえずすぐに館内には入れたのでロッカーに荷物を放り込んで再び並ぶが、そこから会場までがかなり待たされることになる。結局は入場までに30分以上を要することになる。

 


「ツタンカーメン展」大阪天保山特設会場(旧サントリーミュージアム)で6/3まで

 

 世紀の発見とも大騒ぎされたのがツタンカーメンの棺の発見であったが、エジプト考古学博物館が所蔵するコレクションの中から、そのツタンカーメンにまつわる品々を多数展示したのが本展。

 今まで数々のエジプト展が開催されたが、その中では展示数は比較的少なめという印象。ただ展示品は黄金の輝きや青い釉薬の色が目に眩しいような鮮やかなものが多く、エジプトの歴史を云々という小難しい側面をすっ飛ばして、いかにも素人受けしやすいような展示品を集めているように思われる。つまりは一般人がエジプトに対してエキゾチックな魅力を感じやすい展示になっている。単純に見ていて楽しい。

 


 展覧会として云々より、かなりイベント慣れした仕掛けがされているなという点に感心。入口ではいきなりプロモーションビデオを見せられるのだが、これは事実上の入場人数制限になっており、会場内が過剰な人数でごった返しになるのを防止している。また本展のように入場料がやたらに高い(一般土日券で2800円)上に待ち時間の長い展覧会の場合、「元を取ろう」という感情が働いて必要以上に観客が長居しがちになるのだが、本展の目玉と言えるツタンカーメンの黄金のカノポスを見学した後は、一方通行でさっさと退場になる構造になっている。とにかく多数の客をさばくのに慣れた連中が仕掛けているなと感じたのだが、主催がフジテレビと聞いていろいろな点(入場料がやたらに高いことや教育的側面よりもエンターティーメント性が重視されている点など)で妙に納得。

 

 ツタンカーメン展の見学を終えた後はスルッと関西2DAY切符を使った鉄道視察(私は鉄道マニアではなかったはずなのだが・・・)に移る。今回の目的は大阪地下鉄と神戸電鉄の視察である。大阪地下鉄ではニュートラムと長堀鶴見緑地線と今里筋線といった新造路線がまだ未視察。というわけで大阪港から往路とは逆にコスモスクエアの方に向かって進む。

大阪港からコスモスクエアでニュートラムに乗り換え

 大阪港を出た列車はすぐに地下に潜って海の下をくぐる。到着したコスモスクエアでニュートラムに乗り換えだが、これは上への移動になる。

 コスモスクエアを出たニュートラムはまもなく地上に出る。最初に着く駅は大阪の巨大不良債権であるトレードセンター。こんな不便なところに作ったハコモノが成功すると考えた方が頭がおかしい。しかもこれが出来た頃はニュートラムはなぜか大阪地下鉄とは別運営で料金も異常に高かったし。結局は出足でけつまずいた結果、トレードセンターはにっちもさっちも行かなくなってしまった。今でも外から綺麗に見えるが、よく見ると内部の寂れっぷりは半端でない。

ニュートラム沿線風景

 コスモスクエアで乗客の大半は降車し、ニュートラムは大阪の失敗した埋め立て地を周回しながら進む。ニュートラムはポートライナーとそっくりの車両だが、沿線もいろいろな意味でそっくりである。

   住之江公園駅に到着

 20分程度で住之江公園に到着すると、そこから地下に潜って地下鉄四つ橋線に乗り換える。大国町で御堂筋線、動物園前でJR新今宮と移動して大正にたどり着く。

 

 地下鉄長堀鶴見緑地線はここから。地下鉄には何ら面白味もないが、新しい路線らしくホームドアがついていることが目立つ。最近は事故防止の観点からホームドアの設置が勧められているが、予算その他の点でまだまだ設置率は少なく、未だにホームへの手ランク事故や飛び込み自殺が絶えない。

   大正駅

 門真南までは30分程度。車内が混雑するのは心斎橋からで鶴見緑地を過ぎると車内はガラガラ。終点の門真南は近くになみはやドームがある以外は特に何もないところ。仕方がないので引き返す。

門真南駅はなみはやドーム以外何もない

 途中の蒲生四丁目で今里線に乗り換えるが、この乗り換えホーム間が結構な距離があり、この前の新長田での乗り換えを思い出す。蒲生四丁目から今里まではすぐ。

蒲生町四丁目で乗り換えて今里へ

 今里で折り返すと井高野までは20分ちょっと。終点の井高野は住宅地の真ん中。ただしニュータウンと言うよりは団地という言葉の方がピッタリのイメージ。

井高野でバスに乗り換え

 ここからはバスで大阪駅に向かったが、これは失敗だった。とにかく時間はかかるし、車内は大勢の乗客でごった返し、しかも乗客大半は老人。私のような若者(?)が座っていられる雰囲気でなかったので席を立ったが、予想以上に大阪駅が遠かったので到着した時にはかなり体力を消耗してしまった。

 

 大阪駅に到着するとJRで三田まで移動。JR宝塚線は以前にも乗車しているが、宝塚までは住宅地の中なのだが、宝塚を過ぎると突然にとんでもない山の中を走行することになり、ようやく平地に出たと思うと田んぼの真ん中に忽然と三田の町が現れる。三田周辺は私が思っていた以上に都市化されている印象。

   神鉄三田駅

 三田でJRを降りると神戸電鉄に乗り換える。ホームには4両編成のロングシート車が待っている。まずは三田からウッディタウンまで移動。横山を過ぎると公園都市線だがいきなりトンネルになる。トンネルを過ぎるとフラワータウン駅。ここからの沿線は若干古めのニュータウンという印象。次の南ウッディタウンで対向車とすれ違うと次が終点のウッディタウン中央。

 出典 神鉄HP

 ウッディタウン中央は典型的なニュータウンの駅で何もない。雰囲気としては阪急北千里駅を連想する。少し先に見えるイオンがこの辺りの買い物拠点らしい。

ウッデイタウン中央駅に到着

 狐の出るところに建てるのが経営戦略というイオン巨大ショッピングモール

 ウッディタウン中央から一端三田駅に戻ると駅前で適当に昼食を摂る。昼食を済ませると再び今度は新開地行きの列車に乗車する。

 

 三田からしばし沿線は三田の市街。横山を過ぎた辺りからやや田園的になるが基本的に沿線に住宅は途絶えず沿線人口はかなり多そう。有馬口手前から突然に沿線が山の中になり、その後は鈴蘭台の手前まで山岳的な雰囲気。乗客は岡場での乗り降りが多く、有馬口では有馬温泉からの多くの乗客が乗り込み、その大半は谷上で下車する。

 小野を過ぎると沿線はこんな感じ

 鈴蘭台は古い住宅地の真ん中。ここで粟生線に乗り換えである。沿線は西鈴蘭台までは鈴蘭台の住宅地だが、そこを過ぎると突然に山の中。次に木津辺りから沿線住宅地に出る。ここからは三木まで山間住宅地に沿って進む印象。乗客はこの間にパラパラと減っていき、三木を過ぎたところでは数人にまで減少する。小野ではほとんどの乗客が降車し、終点の粟生で降車するのは数人。また粟生はここで神鉄とJRと北条鉄道が接続するターミナルではあるものの何もないところである。

   粟生駅

 ここでしばしJRの到着待ち。そのうちに北条鉄道の列車が学生を中心とする大勢の乗客を輸送してきてまもなく上り下りのJR列車が到着、後はこれに乗って加古川まで移動すればお決まりのルートで帰宅である。

 

 結局は関西私鉄乗りつぶしといったような趣になってしまった。しかしやはり鉄道マニアではない私の場合、地下鉄の乗りつぶしは虚しさしか感じず、ガラにもないことはすべきではないとまた感じただけの始末。神鉄沿線はそれなりに旅情はあって良いのだが、さすがに特に目的もなく乗り続けというのは少々辛かった。

 

 なお粟生線の存廃議論が起こっているというが、廃止するとすれば三木以遠なのか、それとも全線なのだろうか? 全線廃止となると沿線の住宅街が完全に孤立する形になり、モータリゼーションが進行しているといっても不便になることは否定できないと思われる。また恐らくバスで代行となった場合、バスは鈴蘭台ではなくて西神中央に接続するようになると思われ、ひいては鈴蘭台の地盤沈下にもつながりそう。また三木が完全に孤立することになるのだが、それで良いのか? 正直なところ廃止しないといけないほど乗客が少ないとは私には思えなかったのが? やはり最早公共交通は民間で維持するのは不可能なのだろうか?

 

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