展覧会遠征 琵琶湖編

 

 現在JR西日本では冬の関西1デイパスを発売中である。これは関西一円のJRが乗り放題の上に、琵琶湖遊覧船ミシガンも乗船できるという優れもの。私は関西の人間であるが、よくよく考えると今まで意外と琵琶湖の観光はしていない。この際、一度ミシガンに乗船しても良いかと考えた次第。琵琶湖を一回りしてから浜大津に戻り、そこから坂本でも見学して帰れば十分に有意義だろうとの計画である。

 湖都・びわこチケット

 新快速で山科まで移動すると、そこから京阪山科に移動、窓口で引換券を京阪の「湖都・びわこチケット」に引き替えてもらう。これで京阪の大津線が乗り放題である。そのまま京阪で浜大津まで移動。途中から雪が降り出して驚く。先の北海道に比べるべくもないが、今日はかなり寒くなりそうである。

雪の降る中を浜大津に到着

 浜大津に到着するとそのまま港の方へ。先ほどから降り始めている雪はいよいよ本格化しており、かなり吹雪いてきている。とりあえず窓口でミシガンのチケットに引き替えてもらおうと思った時に重要なことに気づく。私が乗船しようとしていたモーニングクルーズがない。どうやらこの時期は日祝以外はモーニングクルーズは運休らしい。しかも現在はミシガンはドック入りのためにビアンカが代行運行だとか。

左 雪の大津港  中央 ミシガン  右 左側の船がビアンカ

 この時点で予定が根本から崩壊してしまった。一体何のために浜大津くんだりまで出てきたのやら・・・。どうしたものかと考えていたら、どうやら長浜までの雪見船は運行されていて、そちらも1デイパスで乗船可能らしい。このままだとどうしようもないので、とりあえずそれに乗船することにする。ただしこちらも現在は天候が大荒れなので場合によっては引き返すこともあり得るという条件便になっている。

  

雪見船はかなり小型の船

 雪見船はミシガンよりは二回りほど小型の船である。これで琵琶湖観光クルーズというところだが、生憎と天候が不順。激しく吹雪いて周囲がろくに見えなくなったりするかと思えば、突然に晴れて明るくなったりなどと目まぐるしくて訳が分からない。

天候が目まぐるしく変わる

 琵琶湖大橋をくぐると南湖から北湖に出る。しかしこの頃からさらに天候が怪しくなり、波も高くなってくる。こうなってくると風景を楽しむという状況でないばかりか、少々気持ち悪くなってくる。

左 浮御堂  中央・右 琵琶湖大橋

 そのうちに航路を変更するので彦根港には立ち寄らないとのアナウンスがある。私は長浜には特に用はないので彦根で下船するつもりだったのだが、これでまたもや予定が完全崩壊である。もうこうなったら仕方ないので後はなるようになるしかない。船は結局は初期の航路を外れて竹生島の北を回る大迂回をしたのだが、長浜港へはほぼ予定通りの時間に到着する。

左 北湖は大荒れ  中央 竹生島を回り込む  右 ようやく長浜港が見えてくる

左 長浜城が見える  中央 長浜港に到着  右 滋賀県最高峰の伊吹山

 さて長浜まで来てしまったが、実のところ私には長浜ですることがない。どうしたものかと思っていたら、盆梅展なるものが開催中だとのことなのでとりあえず立ち寄ってみることにする。

 盆梅とは早い話が梅の盆栽。しかし盆栽と言っても波平さんが育てるのをカツオが壊してお目玉を食っているエピソードに登場するような小さいものではない。低木ぐらいの大きさのあるものを鉢に植えてある。そう言う点ではかなりダイナミックである。

 とは言うものの、私は基本的には「花より団子」のタイプ。どうも花を愛でるような繊細な感性に欠けているようである。ふーん、と感心はするもののそこで終わり。結局はフラッと会場を一周しただけで終わってしまう。

 外は大荒れ

 盆梅展会場を後にした時には外はかなり本格的に吹雪いていた。もう既に昼を回っており空腹である。とりあえず昼食を摂るための店を探すが、なぜか周辺の飲食店はことごとく休業中。飲食店を探しながらフラフラしていると、黒壁スクエアまでやってくることになる。

 結局入店したのは以前にも来た記憶のある「近江牛毛利志満」「ビフカツ膳(2625円)」を頂く。

 肉の良さは感じるものの、ビフカツでは若干ボリューム不足でその醍醐味を味わえてない感じ。隣がステーキ重を頼んでいたが、明らかにそちらの方が旨そうであった。これは明らかに選択のミスである。ただメニュー柄、いずれも昼食にはやや高めであるので、入店には覚悟は必要。

先ほどまでの吹雪が嘘のような晴天

 昼食を終えて外に出ると、もう既に雪は止んで晴れていた。なんとも目まぐるしい天候である。さてこれからであるが、黒壁スクエアは既に以前に見学済みで、今更改めて回るつもりもない。さっさと長浜駅に移動して新快速に乗り込むことにする。

 長浜駅

 新快速のシートに腰を下ろし、さてこれからどうするかと考える。当初は彦根に寄るつもりだったが、実のところ改めて今から彦根に行く程の動機はない。ここは初志貫徹で坂本を訪問するか・・・それなら山科で下車だな、と大体の計画を頭の中で立てる。しかし列車が駅を出てほどなくすると、慣れない船旅で揺られ続けた疲れか私は深い眠りに落ちてしまう。そして次に気がついたのは京都駅を出たところであった。「わっ、寝過ごした・・・それなら次は大阪で降りるか」と考えたものの、また再び深い眠りに。そして次に気がついたのは列車が尼崎を出た時。結局はどうしようもないまま、そのまま帰宅と相成ってしまったのである。

 

 結果として何のためにわざわざ出かけたのかサッパリ分からない内容となってしまった。やったことと言えば、琵琶湖を船で縦断して、長浜でビフカツを食べて帰ってきただけ。あまりの無意味さに後で情けなくなった次第。最初に計画が崩壊した時点で後はズルズルになってしまった。やはりもっと事前に綿密な調査をしておくべきだった。反省。

 

 

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