展覧会遠征 大阪ライブ編2

 

 今日は急遽仕事で大阪に出向くことになったついでに、ちょうどザ・シンフォニーホールで開催予定のコンサートに立ち寄ることにした。

 

 図らずしもつい先週末に聞いたオルガン付を再び聞くことになった次第。こうなるとそのつもりはなくてもどうしても比較してしまうことになる。


オービック・スペシャル・コンサート2015〜コバケンの「オルガン付」〜

 

[指揮]小林研一郎

[独奏]松山冴花(ヴァイオリン)、長井浩美(オルガン)

[管弦楽]大阪フィルハーモニー交響楽団

 

チャイコフスキー:バレエ組曲「くるみ割り人形」より“花のワルツ”

チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 op.35

サン=サーンス:交響曲 第3番 ハ短調 op.78「オルガン付」

 

 今回の編成は第一vn16、第二vn14、va12、vc10、cb8といったかなり大規模な弦楽群を組んでいる。そのために弦楽のサウンドはかなり充実しているのだが、その一方で管にやや難が出てしまっている。

 一曲目の花のワルツはいきなり金管が不安定で危なっかしい。音程が振れる上にタイミングも微妙。以前から大フィルはどうも金管が弱いということを感じていたが、それが露骨に出た演奏。

 二曲目はソリストの松山冴花はテクニック的には特に不安は感じないのだが、演奏自体に特徴がなく極めて印象が薄い。残念ながらソリストとしての華がない。そのために曲自体が今ひとつの盛り上がりに欠けた感がある。

 さてメインのオルガン付であるが、コバケンはいわゆる「爆演型」の指揮者だと聞いていたのだが、その割にやけにおとなしい印象である。ところどころ指揮の動作は大きくなるのだが、演奏自体は完全にリミッターを外しているというようではない。爆演という意味では先日の神奈川フィルハーモニー管弦楽団の方がリミッター解除のあからさまに爆演であった。またオルガンもみなとみらいホールのオルガンに比べてシンフォニーホールのオルガンは音域が高いようで、腹にズンズン響いてくる重低音という風ではなかったので演奏全体が軽い感じである。オーケストラの演奏自体は最初に比べると随分と持ち直してまとまっていたのだが。


 終了後はオケを帰らせた後にコバケンがピアノを引っ張り出してきて会場全員で「ふるさと」の合唱という、まるで小学校の音楽の授業のような奇妙なノリのコンサートであった。また聴衆の中にかなりの高齢者が多数いたことが印象的である。ただ大阪に冠たる大フィルの演奏としてはいささか不満もあったことは事実。やはり東京一極集中では面白くない。大フィルには是非とも関西の意地を見せて欲しいところ。頑張れ!大フィル!

 

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