展覧会遠征 大阪ライブ編9

 

 今回はフェスティバルホールで開催されるミュンヘンフィルのコンサートに参加した。


ミュンヘンフィルハーモニー管弦楽団日本公演

 

指揮 ワレリー・ゲルギエフ

ピアノ 辻井伸行

 

ベートーヴェン:ピアノ協奏曲 第5番 変ホ長調 Op.73 『皇帝』

チャイコフスキー:交響曲 第6番 ロ短調 Op.74 『悲愴』

 

 辻井のピアノに関しては、キラキラとした音色には魅力はあるものの、演奏自体は平板に過ぎるもので盛り上がりに欠けるし、オケとの絡みも今ひとつぎこちなさがある。やはり彼のピアノは完全に自分のペースで弾けるソロ演奏の方が冴えがある。

 ゲルギエフの悲愴であるが、ダイナミックにテンポを動かしてくる演奏であるのだが、その割にはやけにクールな演奏に聞こえ、何か胸に迫ってくるものが感じられない。ミュンヘンフィルの演奏も上手いんだがどことなく上滑りな印象が最後まで拭いきれなかった。


 それにしても今回のコンサートで気になったのは、とにかく客のマナーが悪かったこと。辻井のピアノだけが目的だった客が多いのか、悲愴の最中には退屈したのかガサガサゴソゴソとやたらに物音を立てる客が多く、とにかくうるさい。そして案の定というか、第3楽章終了後には大拍手・・・どころかブラボーまで飛んでしまった。ゲルギエフは客席の反応は予想済みなのか、完全に無視して第4楽章に突入したが、場内の雰囲気がしらけてしまったのは明らかで、今ひとつ盛り上がりに欠けた演奏により拍車をかけてしまった感もある。以前のフランクフルト放送響の五嶋龍の時も客層の悪さを非常に感じたが、どうしても人気先行の客寄せパンダ的ソリストが参加した時のコンサートはこういうことになりやすい。むしろこういう質の悪い客が淘汰される頃に、彼らのソリストとしての真の評価が現れるような気がするが。

 

 

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