展覧会遠征 神姫編

 

 どうも最近はライブ中心でドタバタしていたせいか、会期末が迫ってきているのに未訪問の展覧会が諸々たまってしまっていた。そこでこの祭日には姫路と神戸の美術館を梯子することにした。

 


「ルーシー・リー」姫路市立美術館で12/24まで

 イギリスを代表する陶芸家で、近年は日本でも非常にファンの多いルーシー・リーの展覧会。

 本展では彼女の初期作品から展示されているが、もう最初期から彼女の特徴は作品に現れている。薄手の生地にシンプルで洗練された形態、そして目を惹く鮮やかで華麗な色彩といったところ。日本の陶器などは厚手の生地でぼったりした印象のものが多いが、それとは全く異なる印象の陶器は鮮烈にも感じられる。ある意味でいかにも「イギリス的」な洗練とも感じられる。


 今日は車で来たのだが、毎度のことながらここの駐車場の価格の高さには呆れる。なぜ3時間600円からなのかが最大の謎。私は美術館に3時間もいる人間でないので、この異常に高い駐車場には前々から不満を持っている。とは言うものの、電車で来ると今度は駅から微妙に遠い距離を歩かされる羽目になるし・・・。難儀な美術館である。

 

 美術館に立ち寄った後は昼食を摂ることにする。立ち寄ったのはこの近くの「かもめ屋」。ステーキなどの店である。平日は安価なランチメニューなどもあるようだが、今日は祭日ということで通常メニューしかない模様。「A定食(3550円)」を注文。

 肉は良いし、全体的にボリュームもあり味は良い。ただこの価格に見合っただけの内容があるかといえば少々疑問。CPで考えると明らかに悪いとしか言いようがない。やはり平日ランチ使いの店か。

 

 昼食を終えると神戸まで長駆移動となる。次の美術館の入場券は以前にここを訪問した時にもらっているので入場は無料である。

 


「ジョルジョ・モランディ −終わりなき変奏−」兵庫県立美術館で2/14まで

 

 モランディはイタリアの画家とのことだが、とにかく変わった画家である。作品はひたすら卓上に並べた瓶などを描いたものばかり。ほとんどバリエーションのない画題の中にバリエーションを持たせた奇妙な絵画になる。

 この作品がまた妙な静謐感があり、ありふれた画題の割にはなぜか非現実感が漂うという静かなインパクトのある作品である。明らかにバランスのおかしいデッサンの崩れのようなものが見られる作品もあるのだが、それは単なる技倆の低さではなくて意図的な仕掛けのようである。一見した見た目以上にいろいろと裏がある絵画であり、その辺りは勝手に深読みをしそうになるところもある。

 とにかく「奇妙な絵」というのが正直な感想であり、好きか嫌いかと言われると「好きではないかな・・・」という言い方しか出来ない。ただ好きとは感じないにもかかわらず、なぜか無視できないというタイプの作品である。


 ここの駐車場もまた料金が高い。美術館に入場すると料金の割引があるが、それは料金が安くなるのではなくて1時間の料金で2時間停められるというタイプの割引なので、滞在時間が短い私にはあまりありがたみがない。またここの美術館も姫路市立美術館ほどではないが駅から微妙に遠いという嫌な立地にあり、しかもその道は神戸らしい坂道と来ている。歩いて来ても車で来ても嫌な場所であり、この辺りは安藤忠雄設計の実用性皆無(とにかく無駄に回り道をさせられる構造になっている)のデザインとも相まって、この美術館に対する良くない印象につながっている。

 

 次が今日の最後の目的地となる。今までの美術館に比べると立地もデザインも駐車料金も極めてまともな美術館である。

 


「野田弘志展」神戸市立小磯記念美術館で1/31まで

 写実絵画の第一人者である画家の展覧会。とにかく超絶的な技巧による描写力であり、作品によって写真と見間違うようなものも存在する。

 ただこの手の絵画に常につきまとう批判は「写真のように描くのなら絵画ではなくて写真で十分である」というもの。それに対しての彼のスタンスは、写真のようなリアルな質感で写真では存在しないような非現実的な世界を描く」というような方向に向かっているように思われる。描かれている個々の物体の質感は異常なまでにリアルなのであるが、画面全体としての構成は妙に非現実感が漂っており、そこには彼の特有の仕掛けが潜んでいるように思われる。

 まあとにかく単純にその技術だけでも唸らされる作品たちである。そういう点で理屈抜きでなかなかに面白い。


 これで本日の予定は終了、帰宅することと相成った。

 

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