展覧会遠征 大阪編14

 

 この週末は大阪で美術館とコンサートの梯子である。まずは美術館から。


拝啓 ルノワール先生−梅原龍三郎が出会った西洋美術 あべのハルカス美術館で3/26まで

  

 日本の近代洋画の巨匠・梅原龍三郎は渡欧時にルノワールに師事し、また当時のヨーロッパ美術を貪欲に吸収すると共に多くの作品も収集した。それらのコレクションや梅原自身の作品などを紹介。

 渡欧した日本人画家のお約束として、梅原も露骨に当時の画家の影響を受けており、ルノワールもどきからピカソの影響が見える絵、さらにはエルグレコまでも取り入れたりなどと、今となっても微笑ましく思えるような初期作品も見られる。ただそんな中でも比較的早い時期に、その後の色彩を平面的に大胆に塗り込む独自の画風(私の嫌いな)を確立していたことも覗える。

 なお展覧会には梅原の作品だけでなく、三菱一号館美術館が所蔵するルノワール作品や、梅原が国立西洋美術館に寄贈した西洋絵画作品なども展示されているので、私のような梅原の作品があまり好きでない者でも楽しめる。


 展覧会の後は毎土のようにMIOのグリルマルヨシビフカツランチを頂く。やはり関西人はカツといえばビフカツである。

  

 腹が膨れたところで地下鉄を乗り継いでフェスティバルホールへ。以前からこのビルの西側で工事が行われていたが、もう既にビルの外観はかなり出来上がってきたようだ。ここにはいずれ香雪美術館が入るらしい。アクセスが良い場所なので楽しみではある。

 

 今日は大フィルの定期演奏会で、プログラムはショスタコの交響曲が二曲というかなりヘビーな内容。しかし場内は9割方の入りでかなり入っている。

 


大阪フィルハーモニー交響楽団 第505回定期演奏会

 

指揮/井上道義

曲目/ショスタコーヴィチ:交響曲 第11番 ト短調「1905年」作品103

   ショスタコーヴィチ:交響曲 第12番 ニ短調「1917年」作品112

 

 かなり緊張感のある密度の高い演奏。ともすればヌルい演奏になりがちの大フィルが、今回はかなり引き締まった演奏をしていてなかなかに聞かせた。またいつも危なげな金管陣も今回は大活躍。休憩無しの1時間というかなりハードな曲を、井上もキビキビと見事に振り切っていた。なかなかの熱演である。


 今回も井上のタコ踊りが冴えまくっていたが、いつものヌルヌルした印象とは違って、今回はかなりキビキビしたものになっていた。熱演に場内もかなりの盛り上がりになっていた。

 

 久々に聴き応えのあるコンサートだったように感じられた。低迷が囁かれて久しい大フィルだが、こういう演奏を今後もしてくれたら新たな黄金時代を迎えることも可能であるのだが。

 

 

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