展覧会遠征 大阪ライブ編37

 

 今日はフェスティバルホールで開催されるBBC交響楽団のコンサートを聴きに行くことにした。BBCと言えばイギリスの名門の一つ。さてどんな演奏が飛び出すか楽しみなところである。

 

 水曜日の仕事を早めに終えると大阪まで移動する。ここのところ三週連続で水曜日に出かけているが、正直なところこれはいささか疲れる。

 

 大阪に到着するとコンサートの前に大阪第一ビルの地下で夕食を摂ることにする。今日入店したのは「長屋オムライス」。前から若干気になっていた店ではある。注文したのはオーソドックスに「チキンオムライス」

 オーソドックスなライスに柔らかい卵焼きが加わった今時のオムライス。ふわふわの卵の風味がなかなか。普通においしいオムライスと言える。

 

 夕食を終えるとまだ時間に余裕があるので「つる家」に寄って「わらび餅」を頂くことにする。これがなかなか。

  

 そろそろ時間なのでホールに移動する。会場は結構の入りだ。


東芝グランドコンサート2018 サカリ・オラモ指揮 BBC交響楽団

 

指揮/サカリ・オラモ

ピアノ/小菅優

管弦楽/BBC交響楽団

 

ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番 ハ短調Op.18<ピアノ:小菅優>

マーラー:交響曲第5番 嬰ハ短調

 

 小菅のピアノはかなり力強くてダイナミックな演奏。テクニック的には申し分ない。ただこの曲の演奏としてはいわゆる色気や甘さというものがやや不足。またどことなくバックのオケとしっくりいっていない印象があり、音色がなかなか溶け合わない。小菅がテンポを揺らすと微妙なズレが生じる。

 後半のマーラーの5番になると、オケはリミッターを外したような調子でたっぷりと鳴らしてきた。特に際立つのが弦楽の緻密なアンサンブル。華やかな金管も安定感抜群でこのオケの技量の高さを遺憾なく発揮している。

 このオケを駆使してのサカリ・オラモの指揮であるが、テンポを極限まで落としてゆったりと鳴らし、うねるような演奏で持ってきた。このテンポで演奏しても弛緩しないのはさすがにBBCと言ったところではあるが、問題はこの超スローテンポがこの曲にとって効果的であるかどうか。この点に関しては私はやや疑問を感じた。


 サカリ・オラモの超スローペースのせいで、第3楽章終了時には9時を回っている状態。結局はこの曲に80分程度を費やした。そのため、アンコール一曲を含めてコンサートが終了したのは9時40分。マーラーの終了と共に慌ててバタバタと席を立つ者が多数いたが、帰りの電車が気になった者が少なくないのだろう。かくいう私も「終電は何時だったっけ?(実際には十分に時間に余裕はあったのだが)」なんてことが頭に浮かんだ。最後まで聴き終えて私と共にゾロゾロと帰宅を急いでいた面々の中からも「疲れた」という声があちこちから聞こえていた。オラモの試みは、面白くはあったが異端に過ぎたというのが正直なところではないだろうか。たださすがにBBCのレベルの高さは感じることが出来た。

 

 こうしてコンサートを終えると、この日はいつもよりも遅めに帰宅と相成ったのである。

 

 

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