展覧会参加の心得

 

注意

 毎週のように数箇所の展覧会を回るという生活を送っている私の場合、入場料及び交通費でかなり家計が圧迫されており、とにかく経費を安く上げるということが至上課題となっております。そのために見解その他にかなり偏っていると感じられる記述があるかもしれませんが、その場合は「価値観と経済力の違い」とご理解ください。

 

当日までに行っておくべきこと

 展覧会の会期、休館日の確認

 うろ覚えで現地に出かけると、目的とする展覧会がまだ開催されていなかったとか、もう終わっていたということはありえます。また休館日は大抵は月曜日ですが、たまに違う場合もあるのと、祝日などで変更になる場合があるので、公式HPなどで確認しておきましょう。また突然に会期が変更になっているなんてことも、ごくまれですがあります。

 スケジュールの確認

 特に複数の展覧会をはしごする時には重要です。電車やバスなどの公共交通機関を使用する場合、地方の美術館では電車やバスの本数が極端に少ないことがあるので、ダイヤを確認して、一応のスケジュールを立てておきましょう。車を使用する場合はどうしても出たとこ勝負になりますが、それでも大体のスケジュールは立てて、もしもの場合のプランも考えておくと万全です。

 チケットの確認

 前売り券などを入手している場合は、それを確認しておきましょう。当日になって現地で、チケットを忘れていたことに気づくといった悲劇的な例も意外とあります。

 

服装

 ハイソな雰囲気を漂わせる盛装・・・である必要は当然ありません。それよりはむしろ、動きやすい服装と歩きやすい靴の方が重要です。展覧会回りは、実はかなり過酷な肉体労働ですので。

 

展覧会での禁止事項

 写真撮影

 作品を傷めるというだけでなく、著作権の絡みなどから禁止になっている事例が多いです。

 飲食

 今更いうまでもありませんね。子供のピクニックではありませんから。

 大声で騒ぐ

 これも常識ですね。子供の遠足じゃないんですから。だけど実際は意外と多いんです。特に年配のご婦人の団体とか。たまに大声で薀蓄を垂れている親父なんてのもいますが。

 サイン会に来ているアーティストへの苦情(笑)

 たまに言いたくなる場合もありますけどね・・・。

 

持参すると便利なもの

 学生手帳・老人手帳・障害者手帳・免許証など

 学生は大抵割引料金があります。また老人も割引がある場合があるので該当者は証明できるものを持参しましょう。障害者については本人が無料か、本人及び付き添い者1名が半額というところが相場ですが、中には本人及び付き添い者1名が無料という太っ腹なところもあります。また公立の美術館の場合、その地域の住民は割引される場合があるので、居住地を証明できるものを持参しましょう。

 鉛筆とメモ

 展覧会会場では作品を汚損する危険のある万年筆などは禁止されていることが多く、大抵筆記用具は鉛筆に限られます。メモを取る人は鉛筆を持参しましょう。なおPDAを使用する手もありますが、写真撮影は禁止なのでカメラつきはご法度です。なお私はボイスレコーダーを使用することが多いです。

 地図

 当然ですが、これは美術館内ではなくてそこにたどり着くまでに使用するもの。初めての美術館の場合、場所が分かったつもりでいても、いざ現地に行くと見事に迷うことは多々あります。

 お茶のPETボトル

 当然ながら美術館の中は飲食物の持ち込み禁止なので、これはロッカーかカバンの中にしまわれておくことになります。しかし美術館では館内が飲食禁止なだけでなく、自動販売機のある休憩コーナーもない場合が多いので、美術館から出れば持参したお茶で直ちに水分を補給しましょう。金に何の不自由もないブルジョワな方の場合、館内の喫茶を利用するという方法もありますが・・・。

 

利用したほうが良いもの

 前売り券

 入場料を安く上げようとするならこれに限ります。

 割引券

 HPなどに置いてあることがあります。

 音声ガイド

 数点の作品をピックアップして音声での案内を吹き込んであるもの。ガイド時間30〜60分ぐらい、どんな展覧会でもなぜか料金は500円。これを利用すると作品に対する理解度が上がりますので、貧乏な私もこれは利用します。なおたまには、会場中の説明文を読んでいるだけに近い「金返せ!」と言いたくなるものもありますが・・・。

 無料ロッカー

 大抵の美術館に配備されており(使用後に100円玉が帰ってくるパターンが通常)、特に電車を利用していて荷物が多いときに重宝します。体力温存のために積極的に利用しましょう。また荷物が大きくてロッカーに入らない時は、受付で預かってくれるケースもあります。なおごくまれにロッカーが有料な場合がありますが、その時は両手を開いて天を仰いで「アンビリーバボー!」と叫びましょう。

 ミュージアムトーク

 会場で学芸員が作品解説を行うというイベント。美術館によっては定期的に開催していたり、学芸員ではなくてボランティアが行っているところもあります。音声ガイド同様、作品に対する理解度が深まるので積極的に参加するべきでしょう。こちらは料金はかからないのが助かりますが、日時が限定されるのが難点です。

 

ケースバイケースで利用するもの

 図録

 展示作品の写真及び解説が記載されています。展示品の詳細を理解するための資料になります・・・が実際に帰ってからきちんと読むかは疑問だったりします。実は面白い展覧会に出会ったときのおみやげというニュアンスのほうが強い。貧乏な私ではあるが、展覧会の内容がすばらしかった時は、その美術館に対するお布施と思って購入しています。価格は大体2000円が相場、たまに2500円を超えると購入に勇気が必要。なお上質紙使用で100ページ以上というのが多いので、一冊の重量がかなりあり、数箇所の展覧会をはしごするときは重量にも注意が必要。またこれが部屋に100冊を超えるような状況になると、今度は床が心配になる。

 講演会

 展覧会の内容に連動した講演会が開催されることもよくあります。参加資格は大抵は入場券を購入することなので、開催日時に合わせて見学するのが良いでしょう。ただし人気のある講演会だと、出かけたときには整理券が全部出てしまっているということもよくあります。また事前にはがきや電話などによる予約が必要な場合など、美術館によって対応は様々です。なお内容の有用度は演者しだい。概して美術館の学芸員などは説明に慣れていて話が上手な人が多いが、大学教授の場合はひたすら眠たいだけの場合が多い。美術評論家の場合は、滅茶苦茶話の上手な人と、聴衆をほったらかして自分の世界に入り込んでしまっている人というように、なぜか二分化されるようだ。

 ミュージアムショップ

 ここで浪費しすぎると後で財政に大穴が開くことになります。ちなみにどんな展覧会でもお土産の定番は絵葉書のようです。

 

なるべく利用しないほうが良いもの

 レストラン・喫茶

 場所にもよりますが、一般的に高い・まずい・少ないという三重苦を抱えているところが多いです。館内専用でなくて、外からでも利用できるようになっているところの場合は、たまに普通のレストラン並みのところもありますが。

 タクシー

 やっぱり交通費節約のためにはこれは使いたくないですね。

 

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